外国人観光客の住居侵入強制わいせつ・房室侵入・器物損壊事件 ― 被害者全員との示談成立後、迅速な裁判により執行猶予

事件の概要

  • 罪名:性暴力犯罪の処罰等に関する特例法違反(住居侵入強制わいせつ)、房室侵入、器物損壊
  • 依頼者:韓国を短期訪問中の外国人大学生(身柄拘束中)
  • 担当:チェ・ダウン弁護士(正式に選任され、警察取調べへの同席から裁判終結まで担当)
  • 結果:被害者全員と示談成立、執行猶予判決の言渡し後に本国へ出国

1. 事件の経緯

依頼者は、友人らと韓国を旅行していた外国人大学生でした。

依頼者は宿泊施設で泥酔した状態で、他の宿泊客が滞在していた客室のドアを開けて入室し、座っていた被害者の身体に手を置いて話しかける行為に及びました。これにより、依頼者は性暴力犯罪の処罰等に関する特例法違反(住居侵入強制わいせつ)および房室侵入の容疑を受けることとなりました。

その後、依頼者は自分の客室と勘違いして別の客室のドアを叩き、ドアノブを破損させたため、器物損壊の容疑も加わりました。

当時、112番通報を受けて出動した警察官から警告を受けた依頼者は宿泊先を移りましたが、その後本格的な捜査が開始されました。依頼者は韓国語を全く話せない状況であったため、自国の大使館を通じて弁護士の紹介を受け、チェ・ダウン弁護士を選任しました。

2. 本件の主な争点

① 罰金刑のない住居侵入強制わいせつ罪
住居侵入強制わいせつ罪は、法定刑に罰金刑が定められていない重大犯罪です。そのため、被害者と示談できなかった場合、実刑判決が言い渡される可能性が非常に高くなります。

② 外国人被疑者の出入国問題
外国人が韓国国内で性犯罪を犯した場合、たとえ起訴猶予処分となったとしても、入国禁止など出入国に関する不利益が長期間または永久に及ぶおそれがあります。また、身柄拘束が長引くほど、学業や生活の基盤がある本国への帰国が遅れるという問題もありました。

③ 言語の壁
依頼者は韓国語を全く話せず、捜査手続や自らの法的立場を理解することに大きな困難を抱えていました。

3. チェ・ダウン弁護士による弁護活動

警察取調べへの同席
チェ・ダウン弁護士は警察の取調べに直接同席し、言語面で困難を抱える依頼者が手続を正確に理解し、不利な供述をすることのないよう支援しました。

被害者全員との迅速な示談
本件は被害者が複数いたため、各被害者の立場を尊重しつつ、誠意ある謝罪と被害回復が行われるよう示談交渉を進めました。その結果、短期間のうちに被害者全員との示談を成立させることができました。

手続短縮のための積極的な働きかけ
被害者全員との示談が成立した以上、本件の目標は、可能な限り速やかに執行猶予判決を受け、依頼者が本国へ帰国できるようにすることでした。そこでチェ・ダウン弁護士は、事件が検察に送致されるとすぐに迅速な起訴を求め、起訴直後には裁判所に対し、公判期日および判決言渡期日の速やかな指定を求めました。

4. 結果

依頼者は、被害者全員との示談を踏まえ、執行猶予の判決を言い渡されました。

とりわけ手続が非常に迅速に進んだため、依頼者と同じ拘置所の居室に収容されていた別の収容者がまだ起訴すらされていない段階で、依頼者は判決確定まで終え、本国へ出国することができました。

依頼者は本国に帰国した後も、ご家族とともにチェ・ダウン弁護士へ感謝の言葉を伝えてくださいました。


むすび

住居侵入強制わいせつ罪は罰金刑のない重大犯罪であり、被害者との示談の成否が実刑か執行猶予かを分ける決定的な要素となります。特に外国人被疑者の場合、出入国の問題と身柄拘束の期間が直結するため、示談のみならず、捜査・裁判手続をいかに迅速に進めるかが対応の要となります。チェ・ダウン弁護士は、外国人による性犯罪事件において、初期の取調べ段階からの支援、被害者との迅速な示談、そして送致・起訴・公判の各段階における積極的な手続短縮の働きかけこそが、依頼者の早期帰国に向けた出発点であると強調しています。

● 執筆者:チェ・ダウン(채다은)弁護士
住居侵入強制わいせつ・強制わいせつ等の性暴力処罰法違反、外国人被疑者の刑事事件、身柄拘束事件および被害者との示談に関するご相談

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