外国人の性犯罪による執行猶予後の強制退去命令|韓国出入国管理法上の強制退去手続と対応方法

1. 事件の概要

日本国籍の依頼人は、韓国国内において性犯罪で起訴され、執行猶予付き判決の言渡しを受け、その判決が確定しました。その後、依頼人は韓国の出入国管理法に基づき強制退去命令を受けました。

チェ・ダウン(채다은)弁護士は、本件を正式に受任して遂行し、刑事判決確定後に出入国段階で進められる強制退去手続の全般にわたり依頼人を支援しました。

※依頼人保護のため、犯罪の具体的内容、在留資格、家族関係等は公開しておりません。

2. 外国人にとって強制退去が最も恐ろしい理由

外国人が韓国国内で犯罪を犯した場合、最も恐れ、また最も問題となるものの一つが強制退去です。強制退去命令が執行されると、韓国国内で築いてきた職場、事業、家族関係等の生活基盤を一度に失うことになり、一定期間、韓国への再入国も制限されます。

特に、執行猶予は実刑ではないため在留には影響がないと誤解されることが多いのですが、執行猶予判決が確定した場合であっても強制退去の対象となり得ます。

3. 関連法令

出入国管理法第11条(入国の禁止等)
① 法務部長官は、次の各号のいずれかに該当する外国人について、入国を禁止することができる。
3. 大韓民国の利益又は公共の安全を害する行動をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
4. 経済秩序若しくは社会秩序を害し、又は善良な風俗を害する行動をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者

出入国管理法第46条(強制退去の対象者)
① 地方出入国・外国人官署の長は、この章に規定された手続に従い、次の各号のいずれかに該当する外国人を大韓民国の外へ強制退去させることができる。
3. 第11条第1項各号のいずれかに該当する入国禁止事由が入国後に発見され、又は発生した者
13. 禁錮以上の刑の言渡しを受けて釈放された者

外国人が韓国国内で犯罪を犯し刑が確定すると、出入国当局は、当該外国人が大韓民国の利益若しくは公共の安全を害する行動をするおそれがある、又は善良な風俗を害する行動をするおそれがあるとして、強制退去事由に該当すると判断する場合が多くあります。勾留された状態で裁判を受け、執行猶予判決により釈放された場合には、第13号の「禁錮以上の刑の言渡しを受けて釈放された者」にも該当し得ます。

特に性犯罪や薬物犯罪の場合、出入国当局はこれを善良な風俗及び公共の安全を害する重大な事由とみるため、事実上、強制退去命令を免れることは容易ではありません。

4. 性犯罪による執行猶予確定後の強制退去手続

① 刑事判決の確定及び出入国当局への通報
外国人に対する刑事判決が確定すると、その事実が管轄の出入国・外国人官署に通報され、出入国当局は当該外国人が強制退去の対象に該当するか否かの検討を開始します。

② 出頭要求及び調査
出入国当局は外国人に出頭を求め、犯罪の経緯、在留の経緯、韓国国内の生活基盤等について調査します。この段階で供述する内容及び提出する資料が、その後の処分決定に重要な影響を及ぼします。

③ 保護措置
強制退去の対象者に該当すると疑うに足りる相当な理由があり、逃亡のおそれがある場合、外国人は保護命令により外国人保護所等に保護されることがあります。

④ 審査及び強制退去命令
出入国当局は調査結果に基づき強制退去の対象者に該当するか否かを審査し、該当すると判断した場合には強制退去命令書を発付します。事案によっては、強制退去に代えて出国勧告又は出国命令がなされることもあります。

⑤ 異議申立て
強制退去命令を受けた外国人は、強制退去命令書を受領した日から7日以内に、地方出入国・外国人官署の長を経由して法務部長官に異議申立てをすることができます(出入国管理法第60条)。

⑥ 行政訴訟及び執行停止
強制退去命令に対しては、行政法院に取消訴訟を提起することができます。ただし、訴訟を提起しても強制退去命令の執行は自動的に停止されないため、訴訟係属中に送還されることを防ぐため、執行停止の申立てを併せて行うことが重要です。

⑦ 送還及び入国禁止
強制退去命令が確定すると、外国人は原則として国籍国へ送還され、その後一定期間、大韓民国への入国が禁止されます。

5. 強制退去命令に対応する際に主張すべき事由

出入国管理法第46条第1項は、強制退去の対象者を「強制退去させることができる」と規定しているため、強制退去命令は出入国当局の裁量行為です。したがって、強制退去命令を受けた場合には、強制退去をしてはならない事由を積極的に主張し、争わなければなりません。

  • 犯行の経緯及び内容、被害の程度並びに被害者との示談の有無
  • 再犯の危険性が低いという事情
  • 韓国国内での在留期間並びに生活及び経済基盤
  • 韓国国内の家族関係及び社会的なつながり
  • 真摯な反省及び再犯防止のための具体的な努力
  • 強制退去により被る不利益の程度

これらの事情は、漠然と主張するだけでは足りず、客観的な資料によって裏付けられなければなりません。

6. よくある質問

Q. 性犯罪で執行猶予を受けても強制退去になりますか。
A. 強制退去の対象となり得ます。執行猶予判決が確定した場合であっても、出入国管理法第46条第1項第3号等に基づき強制退去命令が出されることがあり、特に性犯罪は強制退去が厳格に行われる犯罪類型です。

Q. 強制退去命令に対する異議申立ての期間はどのくらいですか。
A. 強制退去命令書を受領した日から7日以内です。

Q. 訴訟中であっても強制的に出国させられることはありますか。
A. 取消訴訟を提起しても強制退去命令の執行は自動的に停止されないため、執行停止の申立てを併せて行わなければなりません。

Q. 刑事裁判の段階から強制退去を考慮すべきですか。
A. はい。刑事裁判で認定された犯罪事実及び量刑事由は、その後の出入国段階の判断にも影響を及ぼすため、外国人の刑事事件は当初から在留問題まで併せて考慮して対応しなければなりません。


結びに

外国人が性犯罪で執行猶予判決を確定的に受けた場合、刑事手続が終わったからといってすべての問題が解決したわけではなく、出入国管理法に基づく強制退去手続が新たに始まります。チェ・ダウン弁護士は、外国人の刑事事件においては刑事裁判の段階から在留問題を併せて考慮すべきであり、強制退去命令を受けた後は、異議申立期間及び出訴期間を逃すことなく、強制退去をしてはならない具体的な事由を客観的な資料によって立証することが対応の出発点であると強調しています。

● 執筆者:チェ・ダウン(채다은)弁護士
外国人の性犯罪・刑事事件、出入国管理法上の強制退去命令に対する異議申立て・取消訴訟・執行停止のご相談

채변호사의 사건이야기에서 더 알아보기

지금 구독하여 계속 읽고 전체 아카이브에 액세스하세요.

계속 읽기